スペシャル:初選抜!「12月のカンガルー」
『12月のカンガルー』
SKE16枚目のシングルとなるこの曲は、谷真理佳にとって、大切な曲となった。
選抜メンバーとタイトルの発表、そしてお披露目は、2014年11月2日、名古屋国際会議場 センチュリーホールで開催された「SKE48リクエストアワー最終日公演」で行われた。
リクエストアワー終演後に、会場内で22名の選抜メンバーが次々と発表されるなか、谷真理佳の名前は最後に紹介され、インパクトのある発表となった。

選抜発表後、初のパフォーマンス
この『12月のカンガルー』は、いくつかの意味で谷真理佳にとって重要な意味を持っています。
まず、初めてSKEとして選抜に選ばれたことである。
完全移籍という厳しい道を選んだ谷真理佳であったが、15枚目のシングル『不器用太陽』では選抜メンバーとして処遇されることはなかった。
しかし、『不器用太陽』ではTYPE-D収録のカップリング曲として、“だーすー、つーまー&にーたー”名義で『恋よりもドリーム』という明るく軽快なユニット曲が与えられ、その後の舞台「AKB49恋愛禁止条例」や日本テレビ「エビショー」におけるヒッチハイク企画など、松村、須田、谷のSKEトリオとしての大活躍へとつながっていくという意味では大きな転換点とはなった。
選抜という意味では、谷真理佳はHKTの2枚目シングル『メロンジュース』で初選抜を経験したが、3枚目シングル『桜みんなで食べた』では選抜落ちも経験している。この選抜落ちが決まったときの本気で悔しい気持ちを、彼女なりに少しおどけて綴っている。
“泣くなよ!泣いたら罰金1000円な。ん?
昨日発表された通り。
3rdシングル「さくらみんなで食べた」
谷は残念ながら、、。。
(中略)
こればかりは、、、。
這い上がるしかない。
もっともっと自分を鍛え、
いつ来るか分からないチャンスを待って、、、
(いや!自分で産む!?チャンスと結婚!?)
自分の手で掴みにいくしかないです。
(中略)
けど、ここは学校でも何でもない!
お仕事だから。夢を追いかける
自分を磨き!実力をつけ、人気をジャリジャリバンバンあげ自分も輝けるように頑張ります!!!!成長!“
「ここは学校でもなんでもない」という彼女の言葉に、選抜に入る競争の厳しさを十分踏まえた上で、選抜に復帰したいという強い意思が感じられる。『12月のカンガルー』は、決意を持ってSKEに移籍した彼女が念願の選抜に復帰した記念碑となったのである。
次に、初めてフロントポジションを与えられたことである。11月2日のお披露目の際、最前列で踊る谷真理佳の姿があった。黄色のかわいい衣装ともあいまって、とても目立つお披露目となった。『メロンジュース』のときは3列目であったことを考えると、大抜擢ともいえるポジションとなった。
このことは彼女自身、大きな戸惑いと不安をもって受け入れた。
「SKEのファンに受け入れてもらえるのだろうか?」
発表当初はポジションの話を避ける傾向があり、選抜発表翌日の11月3日の握手会などにおいて、ファンから前列だねと言われても、真理佳は「私は16番手だから」などと誤魔化して答えたりしていた。メンバーへ発表する際には6番目で名前を呼ばれており、不慣れな高い序列に相当の戸惑いを持っていた。
そこには、移籍組という遠慮、総選挙で圏外であるという事実、それなのに最前列で踊ることに対する反感を恐れる谷真理佳の揺れる気持ちがあった。
『メロンジュース』でHKT初選抜に選ばれた時には、
“本当に言葉に表せないくらい喜ばしい事です。口から何か出そうなくらい本当に嬉しいです、、!!!”
と素直に喜びを爆発させていた谷真理佳であったが、『12月のカンガルー』選抜の際には、内外からの様々な反応に気を遣い、彼女なりに言葉を選んで、勇気をもって選抜発表の2日後になって、やっと気持ちを綴ってくれた。
“賛否両論あるのは当然です!
人間だから誰もが思います。
谷も正直戸惑っております、、
けど。
谷は谷らしく。
『12月のカンガルー』を歌わせて頂けたこと。。ほんとうに嬉しいです。。。
自分の名前がある衣装、そして、、与えられたポジションに【感謝】の気持ちを絶対に忘れず選ばれた意味を考え。皆様と!!!!
一緒に前に進んで行きたいです。“
(2014/11/04 谷真理佳Google+)
と本人の自撮りの代わりにメロンジュースの写真をつけて投稿している。
自分の気持ちを正直に出し、それにファンの温かい反応が積み重なって気持ちも整理できたのか、SKE選抜メンバーの特権であるアメブロの第1回投稿においては、
“移籍してきて今回。。
念願の新しいチャンスを頂きました。
谷にとって、、今回。。。。
初めてSKE48の選抜に選んで頂きました!!!!(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチパチ
すごく嬉しかったです(;_;)!!!!
信じられなかったです。。。
「夢なんかじゃないかっ!!」って何回も思ったくらいに。
(中略)
新しいSKE48を皆様と一緒に!
作っていけたらな!っと強く思います。
そして【♪12月のカンガルー】の歌を
歌わせて頂けて幸せですばい 。・゜・(ノД`)・゜・。 うわーーーん(涙)“
と明るく前向きに気持ちを綴っている。
こうして覚悟を決めた谷真理佳は、『12月のカンガルー』において、フロントメンバーとして、念願のミュージックステーションを含め多くの歌番組に次々と出演し、目立つ黄色い名前付きの衣装をまとって元気にパフォーマンスを行い、大活躍していくのである。

念願のミュージックステーション
この選抜発表の場におけるエピソードとして、松井玲奈から発表直前に、
「真理ちゃん、真理ちゃんは選抜に選ばれなくても輝いているから大丈夫だよ」
と話しかけられ、谷真理佳本人は、「今回も選抜に入れなかったんだ」と落ち込んだという。
実際には選抜として名前を呼ばれ、「今のは何だったんだろう?」と思ったという、谷と玲奈とのほっこりした関係から生まれたエピソードも明かされている。